自転車保険の義務化が全国的に拡大中で東京都でも2020年4月から施行予定って本当?
罰則があるわけではないけど、それより数千万円の高額賠償を求められるケースが怖いって本当?
自転車保険義務化が進む背景は東京都内での自転車の交通人身事故の増加がありそうって本当?
こんな疑問に答えます。
僕は2017年4月からウーバーイーツの配達を自転車で続けています。
そんな僕が解説していきます。
自転車保険義務化を解説【全国的に拡大中で東京でも施行へ・背景に事故の増加】
自転車保険義務化はいつから?→東京では2020年4月から施行予定です
2019年9月の東京都議会で自転車保険に関する条例の改正案が可決され、東京都でも自転車保険の義務化が2020年4月から施行される見込みです。
自転車保険義務化の各都道府県・自治体の対応一覧
自治体名 | |
義務 | 東京都※、埼玉県、神奈川県、大阪府、兵庫県、京都府、 長野県、静岡県、滋賀県、鹿児島県 |
仙台市、さいたま市、相模原市、名古屋市、京都市、堺市 | |
努力義務 | 千葉県、福岡県、 北海道、群馬県、富山県、和歌山県、鳥取県、 徳島県、 高知県、香川県、愛媛県、熊本県 |
千葉市、北九州市、 福岡市、静岡市 |
※平成31年3月31日時点 国土交通省調べ via 第2回自転車の運行による損害賠償保障制度のあり方等に関する検討会配付資料(http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/bicycle-dgs/doc02.html)より作成、東京都は2020年4月から見込み
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通過するだけでも自転車保険の加入が義務付けられます
例えば埼玉県や大阪府では通過するだけでも条例の適用を受けるので自転車保険等の加入が義務付けられると明記されています。
豊島区は一足早く2019年10月から義務化されます
東京都豊島区では2019年10月1日から豊島区内で自転車を利用する場合は自転車損害保険等への加入が義務化されます。
池袋を通過するときは注意です。
» 参考:自転車損害保険等への加入が必要になります(豊島区)
急速に義務化が進んだので今後も各都市で広がりそうです
大阪府では2016年7月から、埼玉県では2018年4月、神奈川県は2019年10月から施行と全国的に自転車保険の義務化の波は急速に広がっています。
他の自治体でも義務化の動きが広がっていきそうです。
自転車保険義務化の罰則はないです
調べた限り全国的に罰則規定はありません。
ただ条例違反にはなるので裁判になった時などに不利になりそうだなと僕は思います。
自転車保険はそんなに高額でもないですし、何より事故が増えているという現状は事実なので罰則とか以前に事故が怖いなと僕は思います。
自転車保険が義務化された背景は事故の増加であるという部分が重要です
自転車事故でも高額の賠償が命じられるケースもあります
判決年 | 裁判所 | 被害内容 | 加害者・過失 | 賠償額 (万円) |
2014 | 東京 | 歩行者・死亡(女性75歳) | 男性・信号無視 | 4,746 |
2013 | 神戸 | 歩行者・後遺障害(女性62歳) | 小学生(11歳)・無灯火 | 9,521 |
2008 | 東京 | 自転車運転・後遺障害(男性24歳) | 男子高校生・通行違反 | 9,266 |
2007 | 東京 | 歩行者・死亡(女性55歳) | 男性・信号無視 | 5,438 |
2003 | 東京 | 歩行者・死亡(女性38歳) | 男性・交差点進行 | 6,779 |
※国土交通省 自転車活用推進本部 via 一般社団法人日本損害保険協会(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/)より引用
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これが今回の自転車保険の義務化の根本的な背景の1つだと思います。
支払い能力のない人に高額賠償が請求されると被害者と加害者の双方が苦しいことになるので、自治体側は自転車保険義務化に踏み切ったと考えます。
高額賠償の背景を考えると自転車保険では対人賠償1億円以上のレベルが推奨とされています。
» 参考: 加入が望まれる保険(共済)の補償内容について(国土交通省 自転車活用推進本部)
東京都内での自転車の交通人身事故はここ数年で増加してます
相手への対人賠償だけでなく自分の怪我に対する保険も重要だと思います。
東京都内では2017年から2019年にかけて自転車の交通人身事故発生が増加しました。
2016年まで減少傾向でしたが、電動レンタサイクルの普及も要因の1つと予想します。
内訳として高齢者が多いですが30・40代もわりと多いので若い世代も注意が必要です。
事故の内容も、特に違反行為などが原因なわけではなく交差点や裏路地での出会い頭衝突が多いので不意打ちに注意です。
» 参考:各種交通人身事故発生状況(令和元年6月末)自転車の交通人身事故発生状況(警視庁)
全国での自転車事故の割合は微増で84%が対自動車です
全国区で見ると自転車事故の件数自体は減っていますが、交通事故全体に占める比率はわずかに増加してきてるので気は抜けないです。
相手は自動車が84%でほとんどを占めています。
事故原因は全国区でも出会い頭衝突が多く、安全確認や一時停止がより一層大事になってくると思います。
» 参考:平成29年における交通死亡事故の特徴等について(警察庁交通局)
自転車と自転車の事故は近年増加傾向です
2016年以降、自転車同士の事故も増えてきてるので自転車専用道でも注意が必要です。
自転車と歩行者の事故も増加傾向で未成年の割合が大きいです
2016年以降は対歩行者の事故も増えています。
さらに約40%は19歳以下の若い運転者による事故でした。(2017年の対歩行者の死亡・重傷事故内での割合)
自分が若かったとしても歩道での運転だとしても注意が必要です。
» 参考:平成29年における交通死亡事故の特徴等について(警察庁交通局)
自転車保険義務化を理解したらするべきこと【まず加入状況をチェックしよう】
自転車保険義務化への自分の加入状況をチェックしよう
事故による損害を補償する自転車保険の種類一覧
個人賠償責任保険 | 自転車向け保険 |
自動車保険の特約 | |
火災保険の特約 | |
傷害保険の特約 | |
団体保険 | 会社等の団体保険 |
PTAの保険 | |
共済 | |
T Sマーク付帯保険 | |
クレジットカードの付帯保険 |
専用の自転車向け保険以外でも、すでにこれらの保険の付帯保険として加入していることもあるのでチェックしましょう。
家族として補償対象になっている場合もあるので家族にも聞いてみましょう。
共済とは全労済・市民共済などの保障事業で、TSマークとは自転車安全整備士が点検確認した普通自転車に貼付されるもので付帯保険も付いてきます。
レンタサイクルの自転車保険の内容
docomoバイクシェア | (港区の例) <自身のケガ> ・死亡・後遺障害保険金額 1,000万円 ・入院保険金日額 5,000円 ・通院保険金日額 2,500円 <第三者への賠償> 対人・対物の補償(1事故2億円) 対人:2億円 対物:2億円 <特約> ・訴訟対応費用補償 支払限度額:1事故・保険期間中1,000万円 ・初期対応費用補償 支払限度額:1事故・保険期間中1,000万円 ・被害者治療費等補償 支払限度額:1名につき50万円(見舞品購入費用3万円) |
ハローサイクリング | (1) 死亡・後遺障害5,000千円、 入院保険金日額3,000円、 通院保険金日額1,500円。 ただし入院保険金日額は事故発生日より180日以内、 通院保険金日額は事故発生日より180日以内の通院に限り90日間をそれぞれ限度とする。 ※シェアリング自転車に搭乗している間の被った傷害補償期間となります。 急激かつ偶然な外来の事故による傷害を補償します。 (2) 賠償責任 対人対物共通保険金額3億円。 ※シェアリング自転車に搭乗している間が補償期間となります。 自転車の使用に起因して第三者に身体障害や財物損壊を与えた場合の法律上の賠償責任を補償します。 |
※https://docomo-cycle.jp/minato/whatiscs/、https://www.hellocycling.jp/app/termsを参考に作成
※他にも諸条件等あるので利用規約を参照することを推奨します |
レンタサイクルにも自転車保険が付帯しています。
対人・対物の補償で理想とされる1億円ラインは超えていますね。
ただし細かい注意事項が多いので利用規約には一度目を通すことをおすすめします。
docomoバイクシェアの使い方はこちらの記事で解説しています。
» docomoのレンタサイクルの使い方のコツ22【電動自転車】
ハローサイクリングの使い方はこちらの記事で解説しています。
» ハローサイクリングの使い方【ICカードを連携すると面倒くないです】
付帯保険では理想の補償内容ではない場合もあるので注意
自転車保険で焦点となってくるのはやはり対人賠償 (死亡・怪我など)1億円以上あるかという点です。
また自分の怪我に対する補償もあるのが理想だと思います。
クレジットカードの付帯保険など付帯系はオプション追加しないままだと限定的な補償内容の場合が多いので注意が必要です。
条例では補償額の規定はない場合が多いので自己判断が大切
各自が補償内容を自分でよく考えて選ぶことが大事になってきます。
自転車保険の義務化を機会に必要なら新たに加入しよう
チェックした上で加入していない場合や補償内容が不十分だと感じた方は加入するのがいいと思います。
自転車保険はそこまで高いという印象はないです。
おすすめの自転車保険についてはこちらの記事で詳しく書きました。
ウーバーイーツの配達における最新の保険事情についてもこちらで解説しています。
» 自転車保険のおすすめを解説【40例網羅・数千円の安いプランで充分】
参考:
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/bicycle-dgs/doc02.html
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0311/jitensya/kaisei.html
http://www.pref.osaka.lg.jp/dorokankyo/osakajitensha/
というわけで今回は以上です。
東京都が義務化に踏み切った背景が事故の急増だと考えるともっと気を付けて走ろうと思いました。