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アメリカン・ビューティー(実は人生とは「美」のためだけにあるのではないか、人生の意義はありふれた暮らしを送ることではなくなった)

投稿日:2006年2月9日 更新日:

実は人生とは「美」のためだけにあるのではないか

素晴らしい映画だ。

数え切れないほど、語りきれないほどの感動がある。

“アメリカン・ビューティー”この題名がまずかっこいい。
「美」というものが人生にとても影響し、
実は人生とは「美」のためだけにあるのではないか。
というのがこの映画の切り口であり、
見えてきにくいが、実ははっきりと提示されたテーマなのではないだろうか。

 

人間というものがとても性欲というものに支配され翻弄されているか

中盤は席を立つ人がいるのもうなずけるくらいお下品である。
が、それも「美」につながっている。
つまり、人間というものがとても性欲というものに支配され翻弄されているということを僕は
思い返したのである。性欲=美である。
美しいもの、美しい娘に触れたいという当然の衝動は、レスターがそうであったように
生活の全てを変貌させ、人格をも変え得る力を持っているのだ。
上品下品いうまでもなく、それがリアルだ。
娘の友達に魅入っていしまうからなおさらリアルである。
人間の本能であるから、目の前にあるものには飛びつくし、容姿が美しいものは美しい
そして何が何だろうと美しい娘には価値があるのだ。

僕は思い返す。やっぱり僕のエネルギーは、魅力のある人に認められたい、
魅力のある人と結ばれたい、というゴールへの渇望から湧き出ていないだろうか。
それはセックスしたいということではなくて、そういう暮らしに人生の美を感じるからだ。僕が決める人生の意義ははそうじゃなかったかな?

 

人生の意義は、ありふれた中流階級の家庭でありふれた暮らしを送ることではなくなった

僕やレスターだけでなく、ほかの人物も人生の意義は何なのか模索する。
それが、ありふれた中流階級の家庭でありふれた暮らしを送ることではないから、
レスター家は崩壊していったのだろう。
この映画が公開された2000年ミレニアムに相応しく、21世紀の人間は、今まで描かれてきたありふれた家族像や生活像が幸せとは限らなくなってきたのだ。まさに多種多様な幸せが存在するのだ。

次に印象深いのは真犯人の元海兵大佐のフィッツ。隠れゲイとして、隣の家のオープンゲイと実に対比的に描かれている。オープンゲイのカップルが実は一番幸せに見えてくるから皮肉だ。
フィッツという人間は実に汚い。
ゲイという自分が受け入れられず、ゲイという観念自体を忌み嫌い心の底から憎んでいる人間だ。
実際、ゲイを嫌ってゲイの社会認知に反対したりしてる人は、その人自身がゲイなのではと言われているね。ゲイフォビアってやつだ。
そうだよね、別に普通の人はゲイでも別にいいんじゃないって思うし。嫌悪感はないよね。
ま日本人アメリカ人の違いは大きいけれど。

こういった人々は、自分の独りよがりな、言ってしまえば”弱さ”にとらわれて、人を傷つけたり、不快感を与えているようにしか見えない。気づいているのだろうか?
そうなってしまう苦しさ重さも良くわかる。わかるよ。
重さは違えどリストラされたサラーリーマンも、東大に入れなかった人間も、ブスな女の子もみんなそういったハンデを抱えている。
そこから、どう生きるか。
それがこの映画で投げかけられる。

 

自分の思い通りに生きることにしたレスターはやっぱりかっこいい

ひとつは、やはり自分を認めて、リストラを認めて、そうやって開き直って生きている人ってとても強い。そしてかっこいい。
自分の思い通りに生きることにしたレスターはやっぱりかっこいいのだ。
そして人生の価値は自分が決める。
どう生きたって自分の自由なんだよね。時々忘れそうになる。
だから、やっぱり僕はフィッツは嫌いだ。レスターみたいな生き方をしたい。
フィッツ=殺人鬼で安心した。

 

このように語りきれない魅力がたくさんこの映画にはあった。
アメリカという舞台で、2000年という時、脚本の巧さ・伏線・テンポ・バランス・・・全てにおいて絶妙など真ん中ストライクをたたき出した作品だと思う。

 

 

 

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